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九十九島
くじゅうくしま
旅に出ると、街によって海の色が違うことに気づく。射し込む光の色味が違うことに気づく。緯度や湿度、気候、地形、様々な要素によって景色は微妙に、でも確実に異なる空気を纏う。佐世保の海は青みがかったグリーンで、湖のようなさざなみに暖かな冬の光が反射していた。人はいつから海は隔てるものだと思うようになったのだろう、とヨットの帆先でふと思った。街から街を旅するように、島から島へ、港から港へ、岬から岬へ、そんな旅もありじゃない？
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居酒屋タフ
軍需産業で栄えた歴史もあって、この街には戦争の遺産がそこかしこに眠る。ベースと呼ばれる米軍基地に会場自衛隊の基地、立ち並ぶ造船所のクレーン、暗号を送受信していた針尾無線塔や佐世保要塞をはじめとする軍事基地遺跡。かつて防空壕だったエリア・トンネル横丁にあるこの洋風居酒屋「タフ」で、そんな佐世保のドープな空気感に浸りつつチリコンカンとレモンサワーを嗜む夜を。
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よしだ屋食堂
なんの変哲も無い食堂にこそ、その街のリアリティが宿ったりする。朝市の隣にたつ「よしだ屋食堂」は、アジの開き定食にアジフライ定食、 そして何食わぬ顔でベーコンエッグ定食とハムエッグ定食が並んだ。佐世保の地勢と歴史がぎゅっと詰め込まれたお茶目なラインナップ。
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弓張の丘ホテル
九十九島と佐世保港を見下ろす弓張岳の頂上、鬱蒼とした森の中いくつもの急カーブを抜け、突如姿を見せる美しい白亜のリゾートホテル。その浮遊感漂う光景はあたかも蜃気楼のよう。
佐世保朝市
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軍港の街は、同時に漁港の町でもあったらしい。まだほの暗い明け方から市場に屋台が立ち並び、数十年前から変わらぬ営みが再び始まる。どうも朝市は店主たちのコミュニティのようで、商売をしにきたのか、はたまた喋りにきたのか。穏やかな空気の中でこの街は朝を迎えるらしい。
ハンバーガーショップ
ヒカリさせぼ五番街店
佐世保の人は本当にハンバーガーをめっちゃ食べるの？と地元の人に聞いてみたら、 誰しもに家族行きつけのバーガーショップがある、との答えが返ってくる程度には、どうやらハンバーガーは佐世保の食文化の一角に君臨するポジションだそうで、 そうときたらなんとしてでも食べて帰りたい佐世保バーガー。ふわふわのバンズに、 肉汁溢れるパテ、追加トッピングのアボカド、普段苦手な玉ねぎも今日はいけそう。昼休みに仲間と連れ立ってスーツ姿でバーガーにかじりつく佐世保おじさんの隣で、口紅も気にせずバーガーにかぶりついてコーラで流し込めば、なんだか地元の気分。
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1996年生まれ。2015年にL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.を設立し、「ソーシャルホテル」をコンセプトにしたホテル「petit-hotel #MELON」をスタート。2016年に「HOTEL SHE, KYOTO」、2017年に「HOTEL SHE, OSAKA」を開業したほか、「THE RYOKAN TOKYO」「HOTEL KUMOI」の運営も手がける。
2020年はホテル予約システムのための新会社CHILLNN, Inc.を本格始動。また、同年9月に一般社団法人Intellectual Inovationsと共同で、次世代観光人材育成のためのtourism academy "SOMEWHERE"を設立し、 2021年2月よりオンライン専用の講義を開始。
龍崎 翔子 (りゅうざき しょうこ)
L&G GLOBAL BUSINESS, Inc.代表 / CHILLNN, Inc.代表 / ホテルプロデューサー
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